多摩サイをベースに無理やり遠回りルートで「入山峠」に登った記事の「後編」です。
前編は「入山峠へ、おまけに八王子城も(前編)」
前編は「入山峠」の入口「林道盆堀線」の入口まででした。
やっと本題の「入山峠」へ向けて登り始めます。
オマケとして峠を下りてから日本百名城のひとつ「八王子城」も軽く見学します。
とりあえず前編でも張りましたが、今回のルート図です。

さて、前編の続きから。

「入山峠」へは「盆堀林道」で行くわけですが
車止めと通行止の表示があります。
林道のお約束ですね。
基本的にはクルマとオートバイに対する規制
歩行者と自転車はOKなのですが
まぁ、通行は自己責任です。
この八王子側からだと峠まで4.5kmほどの距離で
平均斜度は6%程度ですし、最大でも10%程度の、それほどキツくない峠道になります。


前日も晴天だった事もあり、路面は完全にドライ。
なにより舗装状態が良好なのが嬉しい、舗装の凸凹やヒビなどはほとんど無いので走りやすい。
斜度は最初だけちょっとあるけど、それでも10%は無いですから楽に登れます。
とにかく落石による小石(ちいさな岩)が多いのでそれだけ気を付けないとダメですが・・・


しばらくは「いかにも林道」って感じの林の中の走行が続きますが
2kmほど走ると突然開放的な場所に出ます、やっぱ開放感があるほうがキモチイイですねぇ。
道の先を辿ると対面の山にガードレールが見えます・・・あそこまで行くんだね(笑)
※左上の場所の先辺りに湧水があってそこだけウエット路面でした。


さっきの開放感のあとは、ちょっと斜度が増します。
林道の入口から3km弱で「入山トンネル」に到達、ここまで坂が特別キツイ印象は無かった。
まぁ、当然ながら1人気ままなスローペースだからね(笑)
トンネル内に照明はないけど明るい。
事前情報によるとトンネルの先には絶景がまっているらしい・・・出口付近で開放感の予感あり。


トンネルを出ると「おぉぉ!コレはキモチイイ!」と声が出る。

山間の開放感だけじゃなく
遠くには東京の都市部が見渡せるという
オマケ要素のある絶景です。

無理やり拡大してみましたが・・・
この日はズームレンズじゃなくて
17mmの単焦点だったからコレが限界。
ちょうど真ん中あたり
スカイツリーが見えます?
ビル群には都庁も見える気がする。

しばらく尾根に添って進みます。
ゆる~い上り坂です。
右側はずっと開けているのでキモチイイ!
ただ、景色を脇見してばかり居ると
ガードレールの外側の崖下に落ちる(笑)


ちょっと斜度が増してきた、ハイカー向けの休憩所かな?東屋が見える。
その東屋を越えると、そこそこの下り坂になる
なので東屋の辺りが峠かと思っちゃうけど違う。
っていうのは事前情報で確認済み。
参考にしたのは 「入山峠にリベンジする。 」とりさんの「マッキータウンぶろぐ」

下り坂から上り坂に変わった辺り
またもや右側が開ける。
さっきとは角度が違う
ココも見晴らしが良いです。
距離的にそろそろピークかなぁって思う頃に斜度が増してきます。
この最後の坂だけ、斜度10%くらいかなぁ?でも心臓がバクバク言うほどじゃないです。



はい「入山峠」に到達。
うーん、峠は見晴らし無し(笑)
なんか工事現場っぽい雰囲気。
ま、途中が素晴らしいので良し。


檜原街道(武蔵五日市)のほうに下りても良いけど、今日は登って来た道を戻ることにします。
下の入口と違って、上の入口はガードが緩い、工事看板みたいなのだけで車止めはない。
同じ道とは言え、下りはまた景色が違って見えるので、それはそれで楽しめるので飽きません。
下りは速度が出るしパンクや落車のリスクが高いので、
慣れない道(特に林道)は登ってきた道を戻る方が安心感がありますよね。
さっさと下り陣馬街道へ出て「夕やけ小やけ ふれあいの里」をスルーして、都道61号線に向かいます。
本当はこのまま帰る予定だったのですが「入山峠」が思ったよりも優しくて時間に余裕がある。
って事で、すぐ近くの日本百名城の一つ「八王子城」に行くことにしました。


「陣馬街道」で「河原宿交差点」まで来たら、右折して高尾、町田方面へ走ります。
すると長い直線の上り坂があります・・・この坂の方が「入山峠」よりキツイかも(笑)
でも綺麗な並木道ですし、登り切った所にある霊園からの見晴らしもイイです。
で、霊園のあるピークから一気に下ると「八王子城址」の案内板が見えるので信号を右折します。


交差点を右折、ゆる~い上り坂で八王子城址へ向かいます。
山城なので正面に見える「城山(深沢山)」が「八王子城」そのものと言っても良いかもしれません。
2kmほど登ると右側に「八王子城跡ガイダンス施設」があります、ここは入場無料。
八王子城に関する展示、休憩スペース、トイレなどがあり一休みするのには最適です。
→ 八王子市HP「八王子城跡ガイダンス施設」
そのすぐ先に、八王子城を示す石碑があり自転車で進めるのはココまでとなります。


八王子城は埼玉の忍城と同じく、後北条氏(小田原北条氏)の領地で小田原城の支城です。
城主は、後北条氏第3代目当主の北条氏康の三男である北条氏照でした。
豊臣軍の前田利家らによる攻撃にアッサリと落城したけど、大きな歴史の転換期にあった城です。
ちなみに「八王子市」の地名の由来と言われるのが「八王子城」です。
延喜13年(913年)に華厳菩薩妙行が山頂で修行中に牛頭天王と8人の王子が現れた因縁で延喜16年(916年)、この城の山頂に八王子権現を祀ったことから、八王子城と名付けられた。
wikiより
これでもかっていう「山城」なので本丸のある山頂までは「ちょっと観光」って感じじゃありませんし
SPD-SL仕様などクリートの出っ張っているシューズだと無理です。
自分もビンディングですがSPD仕様、さらにスニーカータイプのシューズなので途中まではOKです。
ココにはクルマでは来た事があります。
今回は山頂までは行きませんが、少しだけ登ってみることにします。
まぁ、山頂の本丸に行っても小さなお社があるだけですが・・・
八王子城址は、戦国時代の山城なので当時でも天守(天守閣)はありませんでした。
現在「お城」としてイメージされる立派な「天守閣」や壮大な「石垣」が多く作られるのは
戦国時代以降、徳川の世になってからなんです。
ですが、八王子城は当時としては珍しい「石垣」を持つ山城でした。
特に関東地方においては当時石垣を備えた城は非常に珍しいんです。
構造的には自然の地形を活かした山城で、中世期の主な戦術であった「籠城戦」に適した作りです。
しかし、攻撃的な曲輪なども多くあり近世的な作りも随所に見られます。
織田信長とは良好な同盟関係にあったため、安土城、岐阜城などに北条氏や家来が何度も行っていたと思われますので、同じ山城の「安土、岐阜の両城を参考にした」と言われると納得がいきます。
特に、広大な敷地をもつ御主殿跡で発掘された庭園と思われる場所は戦国時代においては岐阜城の麓にあった織田信長居館くらいにしか無かったのではないでしょうか?

林道となっている道を進みます。
川沿いでとても気持ちのイイ道です。
(自転車は管理事務所の近くに駐輪し徒歩です)


御主殿跡の近くまで行くと資料を元に再現された橋もありますが、老朽化のため現在は通行禁止。
この橋は間もなく取り壊され新たな橋が掛けられる予定だそうです。


橋の先には「御主殿の滝」があります。
豊臣軍に攻められた時、城主の北条氏照、主な家臣は小田原城の守りに参戦しており
八王子城には少ない家臣と女性、農民など3000人のみが残るだけで、1万5000千と言われる豊臣軍(上杉景勝・前田利家・真田昌幸など)に比較的容易に落とされてしまいます。
その際、女性など多くがこの滝に身を投げるなどして三日三晩の間、川の水が赤かったと言われています。
※現在は落石や土砂などで高低差が無いのですが、当時はもっと落差のある滝だったようです。
その後も数年間は「川の水で洗った白米を炊くと赤飯のように赤くなる」などという逸話も残っており
今でも地元では落城の日には供養の意味で赤飯を炊く習慣もあるそうです。
そのため「心霊スポット」としても有名な滝なんですよねぇ・・・
都市伝説ですが、豊臣方の子孫が来るとケガをしたり病気になったりするとか・・・

これが御主殿(北条氏照の居館跡)です。
ここでは食器類や土台の礎石などが見つかっています。
写真では伝わりにくいのですが凄く広いです。
山側にもっとスペースがあったはずなのですが、現在はがけ崩れなどで埋まったままになってるんです。
山の中にこれだけ広い場所を作ったのが凄いですよねぇ。
奥に見える「冠木門」は復元されたもの。
おそらく織田信長から頂いたものだと思いますが、ベネチアでしか作られていない特殊な製法の「レースガラス」の器が見つかっています、これは日本唯一の出土品です。
早くもっと調査を進めて欲しいです、頼むぞ八王子市!


八王子城の遺構の中でメインとなるのが、この御主殿跡へ通じる虎口ですね。
安土城を参考にしたであろう雰囲気が感じられます。
写真ではわかりづらいですが、一段一段の段差が大きく攻め込みにくい作りです。
ですから写真で見るよりもずっと落差があります。
もちろん修復はされていますが、石垣や石階段などは落城時のまま残っている部分が多く
城跡の「石垣萌え」である自分にはタマリマセン(笑)
どこの城跡でも天守や門などは復元が多いのですが、石垣だけは当時のままっていうのが多く
その時代の人達が積み上げた石、歩いた石段、見た風景が残っているわけですからね。
瞬時に擬似タイムスリップできるわけです。
この同じ石段を北条氏照はもちろん、八王子城を攻め落とした上杉景勝・前田利家・真田昌幸らが
歩いたかと思うとゾクゾクしてしまいます。
コノ辺りまで巡るだけなら往復1時間程度(個人差あり)で可能です。
ただ歩くだけなら30分以内で往復出来ます。ま、そういう人は城跡なんて来ないね(笑)

ちょっと気になる方は是非
「八王子城」を見学してみて下さい。
→ 八王子市HP「八王子城跡」
ビンディングシューズの他にスニーカーなどを用意し
山頂の本丸まで行ってみるのも良いと思います。
見晴らしの素晴らしい場所もあります。
ちなみに山頂には自販機とか売店とかないです。
さ、帰ろう。
来た道を戻り自転車に乗り、坂を一気に下り帰路に。の、つもりでしたが・・・
実は以前クルマで来た時に寄れなかった場所があるんです。
それは北条氏照と家臣のお墓、落城からずいぶん後に作られたものらしいのですが行ってみます。




石畳ですが、比較的平滑なので23cのタイヤでもゆっくり走れば平気です。
距離にして200mくらいかな?民家の間を進むと、路面が未舗装に変わり小さな橋があります。
そのすぐ先にお墓へと続く階段があります。



自転車を階段の近くに止め、結構長い階段を上ると(多分200段くらい)お墓があります。
東京都の重要文化財として案内板が立てられいます。
静かな場所ですが不気味感は全く感じないです。
さ、今度こそ帰りますよ。


紅葉の綺麗な「浅川CR」に入り帰路に着きます。
この日の走行距離は77.25km。
天気の良い秋晴れの中、色々と楽しかったサイクリングでした。
本当は「入山峠」がメインのはずだったけど「八王子城」の紹介記事になっちゃった(笑)
入山峠、トンネルを抜けてからの眺望がすばらしいですね!
僕も16日頂上目指す予定です^^楽しみです。
熊鈴付けて(笑)
九十九折の山道って楽しいですよね、これが直線でひたすら登る坂だと心折れます
九十九折曲がったらさらにきつい坂だった時も折れますが(笑)
> makolinさん。
16日は天気良さそうですのでいい景色が見られると良いですね。
入山峠の登りはキツイ区間が殆ど無いので気軽に登れる峠でした。
ただ、八王子側は車両通行止めなのでクルマやオートバイの心配がほぼ必要ないのは良いのですが、そのぶん路面の石や木が多かったです。
石というより落石による岩が砕けたものでしたので尖ってますから注意です。
> とりさん。
八王子城はクルマでは数回(もちろん本丸まで)行っていて、いつか自転車を絡めた記事として紹介したいと思ってたんですよ。
天守(復元や模擬)のない山城なので、地味でマニアックな城跡だと思うのですが見どころ満載。
今回の記事では書き足りなかったです、物凄くカットしました。
しかしさすが「ハイカー」とりさんですね、ロードバイク止めて本丸まで行くとは(笑)
山歩きや階段は自転車とは違う筋肉を使うのでキツイです・・・
北条氏照のお墓の階段ですら足がプルプルしましたから(汗)
> るぅ♪さん。
別にレースに出ているわけでは無いので、他の人の速さに無理に対抗する必要は無いと思いますよ。
せっかくのサイクリングですから楽しく続けたいですね。
パーツ交換も無理せずお願いするべきところはお願いした方が良いですね。
しかし教えてもらいながらって言うのは良いですね!イイお店みつけましたね!
きっと出先のトラブルにも対応できる知識が身につきますよね。
こんばんは♪今日は天気が微妙でしたが、片道20㎞のサイクリングを楽しみました。
多摩サイに行ったのですが、ロードの方々が早くて、次元が違うな~と感じました。
(今は片道20㎞が限界かもです(T-T))
目的地は府中の多摩サイ沿いのあるお店にしました。
このホームページを見ながらカスタムしようとパーツを揃えましたが、調整などが上手く行かず…
時間切れでもとに戻すも戻らず近くの自転車屋で調整してもらいました(^^;
店主も優しい人で、今度パーツ持ち込んで、教えてもらいながら取り付ける約束をしてきました!
(勿論取り付けをお願いするので工賃かかりますが、後学のため&勉強させてもらうので楽しみです)
八王子城、自分も2~3週間ほど前に行きましたよ。
ツーレポの更新をサボっている間に先を越されてしまいました(笑)
本丸まではちょい速めのペースなら20分弱で行けます。
ピーク手前に展望が開ける場所があってなかなかの絶景を堪能できます。
baohさんも、おっしゃるように結構ガチな登山道なので履き慣れた運動靴は必須ですね。
中には街の買い物にでも行くようなライトな服装の人も何人かいましたけど^^;
八王子城は一部から心霊スポット扱いされていますが
昼間であれば観光客も多いですし御主殿エリアも整備されていて
東京近郊で気軽に訪問できる見所ある場所ですよね。